世界でいちばん
祖父母と旅行に行った。
車で1時間くらいの日本三大温泉のひとつ
温泉街の中でも1番高級な旅館の1番高いお部屋で泊まって温泉に何回も入って、秋を感じる素敵なお料理を頂いた。
銀杏や栗、松茸や葡萄。
夕飯後には祖父とラウンジのバーで3杯ほどしっぽりした。
私はとても悲しくなった。
私の祖母は今73くらいで、料理がとっても上手な上に家事は須く丁寧で効率的で知恵がある。
祖母というカテゴライズだけでなく女性としても尊敬している存在で、いつもオシャレで素敵なイヤリングとスカーフを身につけている。
背筋はピシッとしていて、茶華道を嗜んでいて、常に季節感を大切に生きている人だ。
祖父が仕事でどれだけ忙しくても毎日送迎してご飯を作って、孫と遊びに行ってくれる。
お友達と旦那と家族を大切にしていていつも笑顔でときおりお茶目な人生の大先輩。
世界でいちばん好きな人。
それは祖父も一緒の気持ちで、祖母の事を本当に大切に思っている。
そんな祖母が半年前病にかかった。
完治するかといえばそれは断定できるものではない。
治療中ですごく辛いはずなのにいつも笑顔で接してくれて何も変わらないように見える。
わたしはそれがすごく辛い。
最近は祖母がいなくなってしまったあとの生活を考えては胸が苦しくなっている。
生きていけない、とも思う。
旅行が楽しすぎたから、すごく辛い。
ずっとずっと生きていてほしい。
私なんかより長生きしてほしい。
祖母がいなくなってしまったら実家を離れよう。
旅行の楽しかった反動で色々考えてしまってなんだか虚しいような気持ちになってしまった。
多分私の人生の中で1番の、大切で尊敬する、だいすきでだいすきでたまらない人。
祖母のようになるのが夢だ。
書きながら涙が止まらなくなっちゃった。